文化デリックのPOP寄席

第21回 2006年11月 しりあがり寿(漫画家)

しりあがり寿しりあがり寿(漫画家)
1958年、静岡県生まれ。多摩美術大学卒業後、キリンビール入社。85年には会社に勤務しながら初の単行本『エレキな春』を出版。94年より漫画家に専念し、以後数々の作品を発表する。最近では漫画以外にも創作の場を広げている。00年には『時事おやじ2000』(アスペクト)、『ゆるゆるオヤジ』(文藝春秋)にて第46回文藝春秋漫画賞を。01年には『弥次喜多 in DEEP』(エンターブレイン)で第5回手塚治虫文化賞「マンガ優秀賞」を受賞。その他代表作に宮藤官九郎監督により映画化された『真夜中の弥次さん喜多さん』、朝日新聞夕刊にて連載中の『地球防衛家のヒトビト』などがある。

2006/11/10 高円寺「円盤」にて
しりあがり寿という多面体のうち、この夜、光を浴びせられたのは映像という側面だった。まずは、現在のしり先生が特に力を注ぐビデオポッドキャスティング。『電送オヤジ』、『SMロボ シバラレダイン』、『白昼夢夫人』といった短編群に場内は爆笑の嵐。IT幻想と距離を置いたように見えながら、実はこれらの作品こそ、誰よりもその本質を見抜いているのではないか。深い。深すぎる。続いては、しりあがり寿の創造性の肥やしとなった映画を紹介。鈴木清順の『陽炎座』とフェリーニの『女の都』。いちいち腑に落ちる場面の連続に、一刻も早くしり先生自身がメガホンを取る映画が観たいと思いましたよ。最後は、画伯の青春時代、つまり80年代にビデオ録画されたテレビ番組を公開。洋楽PV番組で見せる、カーツ佐藤の適当な司会ぶりに場内は腰を抜かした。朝日新聞から円盤まで――。しり先生のダイナミックレンジの広さを表すに、これほど格好の表現はないんじゃないの?
text by 下井草秀

≪第1部≫ by 文化デリック

[映像]
[1]川勝 映画 ブライアン・デ・パルマ監督作『ブラック・ダリア』(全国シネコンなどで公開中)
[2]下井草 映画 デイヴィッド・エリス監督作『スネーク・フライト』(有楽座他にて上映終了)
[3]川勝 DVD 大塚恭司演出/松尾ズズキ脚本作『演歌なアイツは夜ごと不条理(パンク)な夢を見る』(VAP)
[4]下井草 DVD モニカ・ヘイム監督作『アウェイク・ザイオン』(ナウオン・メディア)

[出版物]
[1]川勝 アイリーン・ガン著/幹遙子訳『遺(のこ)す言葉、その他の短篇』(早川書房)
[2]下井草 田口久美子著『書店繁盛記』(ポプラ社)
[3]川勝 新井英樹著『真説ザ・ワールド・イズ・マイン@〜D』(エンターブレイン)
[4]下井草 WORKSHOP MU!!『WORKSHOP MU!!』(主婦の友社)

[音楽]
[1]川勝 CD コーネリアス『SENSUOUS』(ワーナー)
[2]下井草 CD 流線形『TOKYO SNIPER』(ハピネス)
[3]川勝 CD カエターノ・ヴェローゾ『セー』(ユニバーサル)
[4]下井草 CD 島津田四郎『島津田四郎』(ローズ)


≪第2部≫ by しりあがり寿

文化デリックとしまおまほ

テーマ:映像としりあがり寿!
影響を受けた映画、秘蔵のビデオ、
最近のしりあがり寿監督作品をいろいろ紹介しながら、
映像におけるしりイズムについて迫る。

1. 最近のしりあがり寿監督作
ビデオポッドキャスティング『寸志でございます』シリーズより
WEB 『電送オヤジ』
WEB 『SMロボ シバラレダイン』
WEB 『白昼夢夫人』

2. 好きな映画
DVD 鈴木清順監督作『陽炎座』
DVD フェデリコ・フェリーニ監督作『女の都』

3. 80年代の秘蔵ビデオ
VHS カーツ佐藤MCによる『TOKIO ROCK TV』から

4. 予告
ビデオポッドキャスティング『寸志でございます』シリーズの次回作『横丁ニコニコレース』の構想