文化デリックのPOP寄席

第19回 2006年9月 近田春夫(ミュージシャン)

近田春夫 近田春夫(ミュージシャン・音楽評論家)
1951年、東京都生まれ。60年代に音楽活動を開始以来、鋭い批評眼に基づき唯一無比の音楽を発表し続けてきた鬼才。74年ハルヲフォンを結成、「電撃的東京」などを発表後ソロに。YMOが参加した「天然の美」などをリリース後、80年代半ばから、プレジデントBPM、ビブラストーンの活動で、いち早くヒップホップにアプローチ。日本にラップを根付かせたパイオニアといえよう。近年は、自身のプロジェクトRICEほか、サイケデリック・トランスのフィールドで活躍中。06年には、ハルヲフォン・リローデッドでanoyoに出演。評論家としては、週刊文春でJ−POP批評「考えるヒット」を連載中。

2006/9/8 高円寺「円盤」にて
本番の一週間ほど前に行った打ち合わせの席でのこと。近田さんはきっぱり「段取りがあるのはロックじゃないじゃん」と断言。当夜は、筋書きなしのジャムに突入した。 まずは、近田さんの生涯の心の師、内田裕也さんとの出会い、そして長年の交遊について。音楽性うんぬんではなく、存在自体がロックンロールな裕也さんの魅力が、コクのあるエピソードとともに語られた。続いては、ジャンルを横断してきた30年以上のキャリアから、近田さんが自己ベストをチョイス。1曲だけ選ぶなら、プレジデントBPM時代の「NASU‐KYURI」なんだとか。その後は、近田さんが最近腰を抜かしたDVD『メガデス ドキュメンタリー 狂気の旋律』を鑑賞。波乱に満ちた、なんて表現が甘っちょろく思えるほどのヒストリーに、観客すべてが驚愕。中でもマーティ・フリードマンの発言は、真面目なのになぜか笑えてしまうのだ。 間違いなく、高円寺の円盤は、あの夜の東京で最も濃密な場所だったと思う。
text by 下井草秀

≪第1部≫ by 文化デリック

[映像]
[1]川勝 映画 ポン・ジュノ監督作『グエムル 漢江(ハンガン)の怪物』(有楽町スバル座にて公開中)
[2]下井草 映画 細田守監督作『時をかける少女』(テアトル新宿他にて公開中)
[3]川勝 映画 ウディ・アレン監督作『マッチポイント』(恵比寿ガーデンシネマ、シネスイッチ銀座にて公開中)
[4]下井草 映画 クレイグ・ブリュワー監督作『ハッスル&フロウ』(テアトルタイムズスクエアにてレイトショー公開中)

[出版物]
[1]川勝 金原ひとみ著『オートフィクション』(集英社)
[2]下井草 都築響一著『夜露死苦現代詩』(新潮社)
[3]川勝 内門泉+ミズモトアキラ著『レコード・バイヤーズ・ダイアリー』(リットーミュージック)
[4]下井草 パトリック・マシアス著/町山智浩編・訳『オタク・イン・USA』(太田出版)

[音楽]
[1]川勝 VINYL パブリック・イメージ・リミテッド『メタルボックス』(米4 MEN WITH BEARDS)
[2]下井草 CD 吾妻光良&ザ・スウィンギン・バッパーズ『Seven &Bi‐decade』(ビクター)
[3]川勝 CD UA×菊地成孔『cure jazz』(ビクター)
[4]下井草 CD おばけじゃ〜『満福語』(OKIMI)


≪第2部≫ by 近田春夫

[1] 内田裕也について
[2] anoyo(http://www.anoyo.net/)について
[3] フリーランスは伝説を作れ!
[4] 自己ベスト
ロック時代:近田春夫&ハルヲフォン「秘密のハイウェイ」、「グローリアのうわさ」、「十年早いぜ」、「プラスチック・ムーン」
ヒップホップ時代:近田春夫&ビブラストーン「VIBRA IS BACK」、「NASU-KYURI」
[5] DVD『メガデス ドキュメンタリー 狂気の旋律』を鑑賞しながら
[6]CD インフェクテッド・マッシュルーム『IM ザ・スーパーヴァイザー』から
[7]近田春夫とハルヲフォン『秘密のハイウェイ』(『LIVE! 1975〜77』)