文化デリックのPOP寄席

第0回 2005年2月 ゲスト: 堀雅人(放送作家/ライター)

DVD:『天才・たけしの元気が出るテレビ!! DVD-BOX』(バップ)
天才たけしの元気が出るテレビ テリー伊藤SELECTION 天才たけしの元気が出るテレビ たけしSELECTION
1985〜96年にかけて放送された伝説のバラエティーが待望のDVD化。初回限定のボックスは、ビートたけしSELECTION(赤盤)とテリー伊藤SELECTION(青盤)との2枚組で、「たけしメモ」「早朝バズーカ」「早朝ヘビメタ」「ジェット浪越花やしきのジェットコースターに乗る」など、タガの外れた名企画が満載! 特典映像として、当時この番組のADだった高橋がなり(現ソフト・オン・デマンド社長)、構成作家だったダンカンらがテリー伊藤と語り合う座談会「今だから話せる元気が出るテレビTHE INSIDE STORY」を収録。

下井草:

『天才・たけしの元気が出るテレビ!!』のDVD-BOXです。ビートたけしSELECTION(赤盤)とテリー伊藤SELECTION(青盤)との2枚組。


川勝:

ジャケットのイラストは、(番組のタイトルバックにも使われていた)なんきんさん。


下井草:

1985年4月に、横山やっさんの大暴れでも有名な「久米宏のTVスクランブル」の後番組としてスタート、この番組って、NHK大河ドラマの視聴率を民放で初めて抜いたんですよ。このDVDは、ビートたけしと、当時番組の総合演出を手がけていたテリー伊藤が、それぞれお気に入りの映像をセレクトしたものです。


川勝:

結局、番組自体はいつまで続いたんだっけ?


下井草:

96年まで放送は続いたんですが、ここで選ばれている映像は、やっぱりバラエティー番組として革命的に面白かった初期のものばかりでした。特に印象的なのは、番組オリジナルのキャラクターを勝手に作りあげる企画。ガンジー・オセロや大仏魂といったでたらめなキャラクターが、視聴者を巻き込んでどんどんシアトリカルにヒートアップしていく様が非常に面白いですね。町おこし企画でも、荒川の熊野前商店街や浦安フラワー商店街などでメチャクチャやっています。番組の後期になると、バラエティ−番組全体の力が落ちてきたということなのか、いい話や泣かせる話が主流になってしまうんですね。ちなみに、後期に放送されたお笑い甲子園の優勝コンビ、グレートチキンパワーズなんかは完全に黙殺されています(笑)。


川勝:

(放送作家時代の)宮沢章夫くんが担当していたワニ相撲は収録されていないんですか?


下井草:

さすがにワニ相撲は入ってないですねえ(笑)。たけしメモというコーナーもありました。例えば、「これがお嬢さまだ!」というテーマに勝手に条件をつけていくというコーナーです。これについては、去年ぐらいにたけし本人が「テツ&トモのネタは、俺がたけしメモでやっていたのをアレンジしただけ」と言っていましたね。


川勝:

確かに今のバラエティーって、「元気〜」の個々のネタを拡大したものが番組になっている感じがあるものね。実際に北野印度会社というカレーのお店つくっちゃったり、メディアミックスの走りといえるようなこともやっているし。


下井草:

原宿と嵐山にあった元気が出るショップは一時期、修学旅行でお土産を買う店の定番でしたからね。個人的には、高田純次が最高だと思う。清川虹子の持っている自称3000万円のダイヤの指輪を高田純次が見せてもらいにいくという企画があったんだけど、高田純次は、その指輪をポイッとに口の中に放り込んでガムまみれにしちゃう。僕にとって『ロード・オブ・ザ・リング』といえば、これですよ。


川勝:

(笑)。あのキャラクターの立ち方は素晴らしいよね。この番組で純次さんは後の「男三人ブラ珍旅」へと発展するタレントとしてのキャラを確立した感じ。


下井草:

目に全く心が入ってない感じの(笑)。福島県でたまたま発見されたエンペラー吉田というおじいさんも、よく出演していました。素人なんですが、入れ歯をはずす姿が最高でした。


川勝:

テレビの素人いじりの歴史でいうと、最初は萩本欽一からなんだろうけど、この番組がコーナー企画として成り立たせる基礎をつくったのかもしれないね。「欽ちゃん以上、ロンドンブーツ未満」のバランスで。


下井草:

それに、劇場型という意味では天井桟敷まで合わせた感じ(笑)。


川勝:

テリーさんといえば、東大生の血液をたこ八郎に輸血しようとした人ですからね。テリーさんの持つ過激さが、たけしさんのメジャー感と化学反応を起こして、花開いたともいえるのでは?


下井草:

ちなみに、その後「電波少年」のプロデューサーとして名を馳せる土屋敏夫という人は、当時「元気」のディレクターだったんです。年内には、土屋SELECTIONの緑盤も出るという噂がありますね。それから、テリー伊藤&ビートたけしコンビの番組では、ぜひ「お笑いウルトラクイズ」のDVD-BOXを発売して欲しい。ビデオにはなっているんですが、DVD化はまだなんです。


川勝:

今やBSやCSで昔の番組の再放送はがんがん流れてるし、DVD化も今後どんどん増えていきそうですね。「冗談画報」も放映されて人気だけど、DVD化しないかな。若き日の大人計画や高井戸(竹中直人と藤原ヒロシによる古井戸のコピー・フォーク・デュオ)とか観てみたいから。