文化デリックのPOP寄席

第0回 2005年2月 ゲスト: 堀雅人(放送作家/ライター)

スヌープ・ドッグスバックワイルドバスツアー DVD:『スヌープ・ドッグスバックワイルドバスツアー』
(コンマビジョン)

西海岸ギャングスタラップのカリスマ、スヌープ・ドッグの「バックワイルドツアー」にプレイボーイが密着したドキュメントビデオ。


川勝:

では、そろそろホリウッドの専門、ヒップホップへ行きましょうか。


堀:

専門って、それ明らかに間違ってます(笑)。別に僕はヒップホップにすごく詳しいわけではなくて、単純に好きで、毎週「いいとも」の本番後にワンフロア下の「CISCO」アルタ店をのぞいてミックステープとか雑誌とかチェックしてるだけなんですけども(その後、7月に「CISCO」アルタ店は惜しまれつつ閉店)。まあ、そんな軽いノリでヒップホップを眺めていて面白いなと思ったものをピックアップしたとご理解ください。で、最初のこれはプレイボーイ・ビデオから出てる作品。どういう内容か一言で言えば、スヌープがエロいビッチを山ほど乗せてバスを走らせてるだけです(笑)。


川勝:

プレイボーイかソフト・オン・デマンドか、どっちかしかできないみたいな(笑)


下井草:

マジックミラー号ではないんですね(笑)。


堀:

沢木和也も出てません(笑)。この手のビデオはアメリカでは何本も出ていて、どれも内容はユルユルなんですが、プレイボーイとヒップホップっていう取り合わせが楽しいですよね。金持ってないと成立しないラグジュアリー感が非常にうらやましい。プレイボーイビデオのヒップホップものは、ほかにジャ・ルールなんかも国内盤が出てます。ヒュー・ヘフナーのプレイボーイハウスでジャ・ルールがリリースパーティーをやるみたいなヤツ。これもほんとユルくて楽しい。


川勝:

仕組んでいるのは総帥のヒュー・へフナーなのか、それとも娘なのかな。若いのに才覚があるお嬢さんがいるとは聞いているんだけど。


堀:

へえー。 あと『プレイボーイヒップホップ&ロック』っていう、いろんなアーティストが「プレイボーイ」のグラビア撮影に挑戦するシリーズも出ていますし、国内盤は出てませんけどエロドッキリの『プレイボーイTV』っていうのも輸入DVDで買えます。個人病院の受付に素人の女の人を留守番させてると、そこに男が「すいません! ボッキがおさまらないんです」とか言いながらやってくる(笑)。


下井草:

『イン・ザ・プール』のオダギリジョーみたいだ(笑)。


堀:

くだらないドッキリばっかで、そういう中にジャッカスのスティーヴォーが出てくる(笑)。サブカルチャーと結びついてるんですよねー。こういう企画、日本でもソフト・オン・デマンドがやってくれないかなとか考えたり。


下井草:

やっぱりやるならソフト・オン・デマンドだよね。


堀:

今、レコード会社各社がセルDVDの企画を非常に欲しがってますけど、アメリカにはいい先例がいろいろあるなと。あとは、日本のラッパーで誰が最初にやるかでしょう。


下井草:

ZEEBRAとかですかね


堀:

意外とNIGOさんが(笑)。


川勝:

そうだね。プレイボーイ系で考えると、最短距離にいるのはNIGOくんかも。 THE男の夢だよね(笑)。


下井草:

プレイボーイって、エロとエスタブリッシュメントが違和感なくつながってるのがいいんですよね。


川勝:

エロフェッショナル(©みうらじゅん)ならぬ、エロタブリッシュメントだ(笑)。


堀:

エロタブリッシュメント! 目指したいですねえ。今えげつないくらい下品なことを徹底的にやるのが、憧れのロールモデルとして成立しちゃったりするじゃないですか。叶姉妹しかり、世間的にはNIGOさんもそういう目で見られてるんでしょうし。突き抜けすぎたところを提示すれば成立しちゃう。


川勝:

年収300万ライフ OR エロタブリッシュ人生?


堀:

二極化はたぶん進んでいくだろうし、そこできっちり突出した例を面白く見せてあげられれば。実際、テレビの企画では、そういうのは基本ですからね。


川勝:

それにしてもエロタブリッシュメントって言葉は、景気がいいよね(笑)。


下井草:

では、まずはNIGOさんに頑張ってもらうということで(笑)。


堀:

NIGOさんの話をすると、今、BAPEがアメリカのヒップホップシーンで普通に受け入れられているんです。PVでベイプスター履いてたりエイプの服着てるラッパーとかたくさんいるし。相当なセンセーションを巻き起こしている。


川勝:

きっかけは?


堀:

ネプチューンズのファレルに会ったのが最初で、バスタ・ライムスとかJAY-Zとかカニエ・ウエストとか、いちいち言い出したらきりがないくらいどんどん輪が広がってるそうですよ。ヒップホップのアーティストが来日すると、必ずNIGOさんのところに電話をかけてきて、服くれって言うらしいです(笑)


川勝:

「くれ」ってのはすごいね。ギヴ・ミー・チョコレートの戦後から半世紀弱を経て、ギヴ・ミー・ベイプの時代へ(笑)。


堀:

最近ではベッカム夫妻も店に来て買い物していった話も聞いたし(笑)。まだまだ新しい動きが出てくればおもしろいですね。